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損益通算とは?内部通算とは?

確定申告の情報を閲覧しているとよく見かける「損益通算」。 いっきつうかん そんえきつうさん。 これは一体何なのでしょう。

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広義 (用語的な意味)

利益と損失とを合算し、最終的な所得額を清算する事。 一般的には、異なる所得区分を超え、所得同士のプラスマイナスを合算する事を言います。

 所得区分とは---
 昨今では、事業所得、不動産所得、給与所得(サラリーマン等の給料)、退職所得、山林所得、譲渡所得、利子所得、配当所得、雑所得一時所得、、 と、計10区分存在しており、これらは収益の特徴・経緯等によって厳格厳密に振り分けられており、かつ税法上の取扱い方まで分けられているもの。

 ちなみに確定申告においては、これらそれぞれ個別に申告書へ記入して行くことになるが、しかし最終的には利益は統合されひとつの所得 → 課税 となる。 【参考: 所得区分について】 なお、この10種以外にも、特例扱いの区分や そもそも単独で課税される分離課税と呼ばれる区分もあるが、一応それらも10区分から派生するものであり、基本的にはこの10区分と覚えておきましょう。

ちなみに、さらに広義的に言うと、、 同じ所得区分内での内部通算(後程解説) に関しても、もっともっと広義的に言うと、損失の繰り越し(これについてはまた後程にて) に関しても--- 損益通算と言います。

狭義

税法上の取扱いでは、主にこちらの事を指すと思われて下さい。

ひとつの所得区分で出た損失(赤字)を、他の所得区分でカバーすること。(利益の出ている所得から 損失の出ている所得を差し引く) まあ簡単に言えば、最終的な所得額にマイナス分を持ちこみ → 損益を相殺 → ひとつの所得とする事。

例えば、事業所得で出た赤字を、他の給与所得など含む所得の総額から差し引き、赤字分所得額を抑える。 (= それだけ税額を低くおさえる事が出来る) みたいな。

 事業所得 ▲50万円(年)、 給与所得 +500万円(年)。 → 500 - 50 = 最終的な所得額450万円(1年度)。 みたいな。

但し、この損益通算の出来る範囲は決められており、

 事業所得、 譲渡所得、 不動産所得、 山林所得

と、この4区分のみ。

つまり、この4区分の所得から出た赤字は他の所得からの差し引きは出来るが、これら以外の区分から出た赤字は差し引き出来ない。 (どんなに大きな損失でも最大ゼロ扱い。 特に赤字の出やすい雑所得扱いの副業は要注意ですね)

ちなみに黒字に関しては、全ての区分において通算する事が可能です。 (← 広義的にあえて言うと、これも損益通算のひとつ) またこれら損益通算の申告上の順序というものも御座いますが、この辺りは確定申告の流れで必然的にそう流れますので、この辺りまでは特に覚えておく必要はないかな。

 なお、青色申告者には3年間の損失の繰り越しが認められているが、基本的には これら損益通算が先に優先され、それでもなおかつ損失が残る場合のみ(この損失の事を ”純損失の金額” と言います)繰り越しする事が出来ます。 またその場合には、通常の確定申告書に加え 「第四表」と呼ばれる損失申告用の確定申告書の提出も必要となって来ますので、それら辺りに付きましても予め。

 (※ 参考までに、、 一応白色申告者でも、一定の損失の繰り越しが可能なものも御座いますので、もし白色申告者の方でも、損失が発生している場合には最寄りの税務相談などへ)

確定申告

先ずもし実際に各所得区分で損失が発生しております場合には、これら当サイト見解によらず とにかく確定申告前に必ず最寄りの税務署などへご相談下さい(国税庁の推奨による。 (以下注意事項や特例の扱いなども含め) ライン引きが難しいもの等判断ミスもかなり多いのでしょう。 またこの制度自体、かなり混沌として非常にややこしいですし。。

注意事項 (除外項目等)

なお、税法上で言う可能な損益通算(狭義)でも、、 一部、

@ 生活に通常必要でない資産の譲渡で出た損失で一定条件のもの。 (譲渡所得)
A 個人別荘(生活に通常必要でない)の貸与や、土地購入のための負債利子等。 (不動産所得)

こういったモノに関しては(一部抜粋)、いくらその区分内で損失が出たとしても〜 他の所得との損益通算は出来ませんので、予めご留意等のほど願います。 (一応内部通算は可能ですが、トータルで損失が出た場合、これらに関する部分の損失は損益通算が出来ません)

特例

またこれまで一般的な通算について触れて来ましたが、これら通算上ちょっと特殊な扱いを受けるものも御座います。

それが 、 あと FXとかの先物取引系

 @FXとか先物取引き系

先ずFXとかにつきましては、そもそも原則的には雑所得扱いなので〜 損失の損益通算は出来ないのですが、ただ同じ雑所得内での内部通算も出来ず(これは後述)、、 しかも黒字が出ていたとしても〜 他の所得の損益通算も受け付けないちょっとした特殊な扱いになっておりまして、 (例えば事業所得で赤字が出ていても、このFX等の黒字からは差し引けない)

まあ早い話。 はみご。

但し、はみごとなってしまった分、そのFX等で出てしまった損失は以降3年の間に出る同じFX等の黒字から差し引く事が出来ますので(オリジナル特典)、またそうかと言っても そもそもこのハミ子に属さない取引きなどもあるようで(他の雑所得と同様の扱いになるものも)、、 しかも、FXはちょっと私あまり知識がないもので、、、

まあもしこれらにお心当たり御座います方は、最寄の税務相談などへお声をお掛け願います。 (株のような譲渡所得に該当する先物などもあるようですし)

 A株取引き

それから株。 株は基本的には譲渡所得となりますので〜 他所得との損失相殺できるのかと思いきや! こちらも扱いが特殊なんで要注意(FX等よりももっと特殊)。 またそもそもその取引きによっては譲渡所得でない場合もあるようで、、 しかもやはり株も私全く知識がないもので、、、
 関連(国税庁): 譲渡した時の課税、 上場株式等の配当

まあスミマセン。 これらに関しましても、お心当たり御座います方は最寄の税務相談へ。

ちなみにこれらも一応一部抜粋です。 その他含め全体的なポイントは 改め各自国税庁等にてご確認下さい。

内部通算とは

これまでちょこちょこと出て来ましたが、これら損益通算の中でも、またさらに細分化して行くと ”内部通算” というものも出てきます。 (但し、用語としてよく使われても、税法上で言う損益通算とは全く異なるものだとお考え下さい)

一応この内部通算についても触れておこうかと。

まあ簡単に言いますと、全く同じ所得区分内での 損益の差引相殺の事。

例えば、、 複数の副業をなさっている場合で、とある副業Aは儲かっているのだが〜 その他副業は全くの赤字。 こんな時--- 確定申告時には、全ての副業の損益をプラスマイナスし〜 最終的にひとつの雑所得として申告する事になるのですが、 → で、このひとつの雑所得とするための 全副業の損益のプラスマイナス → これが内部通算

まあどう考えても普通の事務処理の事。

また、フェラーリの譲渡損とプレミア付きロレックスの譲渡益も同じ譲渡所得。 こういった単体取引きの合算処理も。

 但し!

この内部通算においても、株、及びFX・先物取引等の ”はみご特例(自称)” は幅が効いておりますので一応予め。 

 @FXとか先物取引き系

FXや先物取引のほとんどは申告分離課税扱いの雑所得。 そもそも一般的な雑所得とは分けて考える必要があります。 つまりこれら双方での損益相殺は不可というわけ。 ネットオークションの副業(雑所得の一例)で儲かっていても〜 FXの損失は差し引き相殺出来ません。 また逆に、FXで儲かっていても〜 ネットオークションでの損失も差し引き出来ません。 間違えて差引してしまわないようにご注意を。 (→ 特に、副業20万円ルールの判断上、差引してしまわないように)

但し、取引き環境などによっては分離しないものもあるようですので、さらにより詳しくは最寄の税務相談などへ願います。 (FX等に関しては私浅学ですので。。)

なお、FXや先物取引きなど 税法上取扱いが同じモノ同士の場合には、もちろんその範囲内であれば通算はいくらでも可能です。

 A株取引き

株も同じく、基本、他の一般的な譲渡所得とは分けて考える必要があります。

なお、これら株はもっと小難しいです。 単に内部通算が出来ないだけでなく〜 そもそもここで言う譲渡所得に当てはまらないものもあったり、また一定の所得とは損益通算が許されているなど(これは内部通算ではないですが)、、 というわけでこの辺りにつきましても、さらにより詳しくは最寄の税務相談などへ願います。 (中には一般的な譲渡所得と内部通算可能なものも)

ちなみにこれらも一部の特殊例。 より詳細は各自国税庁等にてご確認下さい。

 なお、内部通算という用語は特に税法上決まっているものではなく、人によって使い方もまちまち。 範囲を所得10区分内とする方もいれば〜 分離課税や特例区分まで個別にしてその中でのみとしたり、またこれらも損益通算と表現したりと、、 (さらに場合によっては場面で使い分ける事も) というわけで、これらは何となくのニュアンス的にのみ捉えられておいて下さい。

以上参考までに。


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