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未払費用

読み方

みばらいひよう。

概要

一定の契約に従い、継続的な役務の提供(サービス)を受けているが、いまだ役務の対価を支払っていない状態(金銭)を管理する勘定科目。

該当する主な対象

役務提供中、かつ未払いの〜 保険料、家賃、駐車場代、水道光熱費、電話代、給料など。

 
 尚、ここで言う 「未払い」とは、契約に沿った役務提供中であるため、実際には未債務 (= 請求書などは発行されていない、支払義務や支払額も確定していない)ではあるが、それ相応の役務を受けてきた期間相当分のサービス料は事実上 「未払い」と考えられるため、またその未払いの事を言います。 難しく言えば 「未債務の役務の対価」かな?

注意点

・実務的には、未債務の役務の対価に対して決算仕訳(経過勘定)で用いられるのが基本。 (税務上においても同様)

・翌期において支払い到来するもののみの取扱いとなるでしょう。

・但し、同じ未債務でも、非継続的な取引きは含みません。

 関連参考 「未払費用の定義など

・基本的には--- 後日払い(債務が発生し請求書が立って、後日振込とか口座引落しとか確定)の毎月定期的に支払っている水道光熱費等はいわゆる 「未払金」に該当しますが、しかし実務的にはこれら費用も 「未払費用」として取り扱う人も多く、また税務署側から見ても現実、、 それほど大きく区別していないような感じです。 (→ 会計原則的に未払費用として取り扱うのは、原則 未債務のものに限られますが、ただ税務上では支払う税金さえ間違っていなければそれで問題ないだけで。。 但し、これらは「重要性に乏しいもの」のみそういった見解でも問題ないと思われ、もちろん一貫性のある会計が前提である事も予め)

・但し、「買掛金」とは完全に区別する事。

・賞与 (ボーナス)につきましては〜 予め所轄の税務署窓口などでのご相談を m(_ _)m
(※ 賞与 (ボーナス)は、事業者の定める就業規則 (算出根拠)? や支給のタイミング、その他そのボーナスの意味合い等によってもボーナス勘定の考え方からして随分と異なる場合もあるとそう耳目する事も多いですから。。 (また、年度を超えてのボーナス支給自体珍しく、その辺りまでは〜 私自身からして浅学で御座いますし・・))

・尚、これら未払費用に関しましては〜 その費用が 「重要性に乏しいもの」であれば、「重要性の原則」を適用した会計処理も認められておりますので・・・ これら予めお見知り置きを m(_ _)m (決算時に、未払いとされる費用相当分を未払費用扱いせずとも〜 翌年のその費用対価の支出時等に一括して費用化出来る。。 といった感じ)

消費税の課税取扱い(区分) 

対象外

仕訳例(仕分け例)

  → 必要経費についてアレコレ。 また仕訳をする上での基本事項、注意事項など

 年末年始あたりでの給与仕訳例。

@先ず11月26日〜 12月25日までの給与仕訳(12月25日の (締日)仕訳分)。

借方 貸方 摘要
専従者給与 300,000円 未払金 300,000円 12月分給与

 ※ 給与は、毎月25日締めの〜 翌月10日払い。
 ※ 11月26日〜 12月25日までの給与は、その当該月間の役務の提供が完了し、事業主に債務 (支払義務)も発生しているので ⇒ これは 「未払金」勘定。 まあここはいつも通りに。

A期末決算につき、12月分の未払費用とされる給料相当分を当期の必要経費へと計上(12月31日 (期末決算)の仕訳分)。

借方 貸方 摘要
専従者給与 60,000円 未払費用 60,000円 当期の未払給与(6日分)

 ※ しかし12月26日〜 12月31日までの給与は、まだ当該月間における役務の提供を受けている最中でありながらも〜 12月26日からの6日間は勤務日数相当の費用 (対価)が発生していると見られ、ただその月間に対する締日が到来 (締日は来期になる)していないため、これら対価はそのままでは当期の費用として計上されず、よってそれら対価を当期の必要経費へと算入するために〜 ⇒ これらを 「未払費用」勘定へ

 ※ 上記例6万円という金額は6日分相当額。
 ※ この仕訳は決算仕訳です。

B期首における未払費用振り戻し作業(翌年、1月1日の仕訳分)。

借方 貸方 摘要
未払費用 60,000円 専従者給与 60,000円 前年未払費用の振り戻し

 ※ 「未払費用」は決算仕訳(経過勘定)なので、(→ 当期において、まだその締日が来ていない(支払義務・債務が発生していない)ために〜 役務の対価を受けていながらも 費用化出来ない対価を、当期において費用化するための勘定科目ですから。。) 翌年期首(1月1日)にはこれら費用の振り戻しの仕訳が必要となります。(→ 年度が変わった後のその未払費用は、その年度では当期の未払費用の扱いから外れてしまいますので。。 またこれをやっておかないと、満額として締める日に前年に費用化した分もダブって費用計上されてしまうため)

C翌年1月10日の給料支払日。(翌年、1月10日 (給料日)の仕訳分

借方 貸方 摘要
未払金 300,000円 普通預金 300,000円 12月分給与支払い

 ※ 給料日到来のため。

D翌年1月25日の締日。(翌年、1月25日 (締日)の仕訳分

借方 貸方 摘要
専従者給与 310,000円 未払金 310,000円 1月分給与

 ※ 尚、この時点で、1月1日に振り戻していた6万円が相殺され、実質的にその専従者給与として今回費用計上される額は 「25万円」となります。 (前年に費用計上済みとされた6万円分が差し引かれた形)

 尚、翌年1月1日の振り戻し仕訳をなしで、翌年25日の締日において給与の締めと未払費用の振り戻しを同時にやっても問題ないでしょう。

B+D翌年1月25日の締日。(翌年、1月25日 (締日)の仕訳分

借方 貸方 摘要
専従者給与 250,000円 未払金 310,000円 1月分給与
未払費用 60,000円   前年未払費用の振り戻し
 
 尚、これまでの仕訳においては〜 源泉徴収などの仕訳は含めておりませんので、(未払金と未払費用の仕訳に焦点を当てているため) もし源泉徴収も加わるようなパターンでしたら、 【⇒ 給料賃金】 ←こちらも加えご参考までに。。。 m(_ _)m

以上参考までに。
(※ なお、これら仕訳例、及び勘定科目各概要は主に個人事業者を対象としたものとお考え下さい(一応当サイトでは、法人仕訳等には触れておりません)。 また上記例は一般的なごく一例です。 それと消費税に関しては税込経理としての仕訳としております)

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個人事業でよく使われる勘定科目を仕訳例とともに一覧にしてみました(個人事業向け)。
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