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家庭用品の事業転用・家事転用。(非業務費用の業務転用)

ご自身にて自営業 (個人事業)を始めると、

場合によっては色々と家庭用で使っていた備品などの事業用(業務用)への転用って意外と多くあるものです。

例えば・・・ よくあるパターンだと、「パソコン」「自動車 (自家用車 → 営業車)」「家屋 (自宅 → 自宅の一部を事務所へ)」。。 などでしょうか。

ちなみにこれら家庭用で使っていた備品など(備品というより資産ですが)を、業務用として事業転用すれば・・・

その備品や資産などの「購入当時の購入価格」の一部を、事業用途の必要経費として適所費用計上出来るのは〜 そこそこ耳にされるかと思われますが、

ただ、それら費用化の考え方にはある程度の見解こそ御座いますが〜

反面、正式なガイドラインや法、その他関連書籍などもなく、かなりグレーなゾーン(いわゆるグレーゾーン)も多い事、皆様はご存知でしょうか???

グレーゾーン?

先ず、先ほど述べさせて頂いた「パソコン」「自動車」「家屋」などの備品や資産などにおいて、

いわゆる「減価償却資産」とされるモノに関しましては・・・

まあそれら備品や資産などの価額(取得するにあたっての購入価格や付随費用等含む額)は比較的大きな額となりますため、またそういったパターンも多いため、、

国税庁含む、色々なサイトや書籍などでも見解(基礎的な考え方)も多く見られますが、

しかしこれら多くの見解に関しましても、

あくまでひとつの「例」・「見解 (考え方)」・「ガイドライン (無難なライン)」にしか過ぎず、

その考え方が合理的であって、重要度も低く、かつ適正性のある根拠や説明が可能であれば・・・ そういった基礎的な見解から一歩踏み出した経費化なんてもの、実は可能だったりもします。

※ まあ、これがいわゆる「グレーゾーン」とも。 良く言えば「柔軟な考え」。

例えば・・

減価償却資産とされる比較的にも大きな資産や備品。(いわゆる取得価額が10万円以上、かつ耐用年数が2年以上のモノ)

こういった資産や備品などは、そもそも最初から事業用として購入されたのであれば〜 それこそきちんとした「減価償却」という会計基準等によってそれら費用化の流れがきっちり「定石化」されてはおりますが、、

※ まあ一部例外なども御座いますが。

ただ、それら資産や備品が「元・家庭用」であり、それら資産などを事業用へ転用された場合、

そもそも「家庭用」として使われていた時代の会計基準なんて存在しておりませんから〜

そうですね・・・

こういった自家用車等を業務用へと事業転用した場合、

それら事業転用時の費用化などにつきましては〜 基本は、基礎的な見解による一般論的ガイドラインを参考にそれら費用化されると思われますが、

しかしその考え方が合理的であり、業務上の重要度も低く〜 実環境に適正さや根拠などが見られ、かつそういった状況を的確に説明する事(証拠や根拠を目視化する等)が出来るのであれば・・・

家庭用で使っていた当時は、ほとんど乗らず走行距離も全く伸びてないので、家庭用途時代の減価償却費に相当する「減価の額」を、基準よりもやや少なくし、事業転用時の未償却残高をやや多めに見積もる

※ 例えば・・・ 購入当時の取得価額100万円の自動車。基本に忠実に算出された「減価の額」は52万円で、そこから算出される事業転用時の未償却残高が48万円だとしても、

 家庭用としてその自動車が使われていた当時はほとんど乗る事もなく・・・ 走行距離は平均的とされる経過年数相応の走行距離より圧倒的に少なく、かつ新車時からの経過年数から考えてもかなり程度が良い状態だったので〜

 算出されていた「減価の額」よりもやや少なめに減価を見積り、(算出上は52万円だが、これをやや少なめに見積り50万円に とか)

 事業転用時の、そのクルマの価値(残っている価値相当額)と考えられる「未償却残高」をやや多めに見積もる等しても・・・ (算出上は48万円だったが、通常よりも多く価値が残るクルマと考え、減価の額を少なくした代わりに未償却残高を多く見積もる)

と、こういった経理処理だって、

税務上、暗黙的に? かつグレーゾーン的に〜 認められている事実だってありますので。。

これら予めお見知りおき頂きたく思っております。

要は・・・ その理屈、事由、根拠が「理にかなう」のであれば、何も「定石」通りの仕訳や経理処理をしなくたって〜 それはそれで柔軟に受け止めてくれる。 というわけ。

また・・

それら事業用へと転用される資産や備品などが、何も「税務上で言う減価償却資産」に相当しないモノだとしても、

※ いわゆる、そもそも耐用年数は長いが〜 取得価額が10万円未満のモノであって、税法上では「減価償却資産」としては取り扱わないモノ。 とか。

その備品などの家庭用途時代に減価されたと相当される額(減価の額)を除き、残る価値相当を事業転用時の消耗品費などとして、一括経費化

※ 例えば・・・ 購入当時の取得価額8万円のパソコン。通常こういった10万円未満の資産(⇒ いわゆる少額な減価償却資産)は、事業上での税法上(個人事業者対象の所得税法)では〜 その取得年度の必要経費として一括経費化が強制されてしまうが、(少額の減価償却資産は、減価償却する事が出来ませんから。。)

 先述のように、それら資産や備品が「元・家庭用」であり、それら資産などを事業用へ転用された場合、そもそも「家庭用」として使われていた時代の会計基準なんて存在しておりませんから〜

 そのパソコンの、家庭用として使われていた当時に価値が下がってしまっていたであろう相当額を、通常一般的な減価償却資産と同様に「減価の額」として算出し、

 また事業転用時に残っているであろう相当価値も、これまた通常一般的な減価償却資産と同様に「未償却残高」として算出し、(取得価額8万円をベースに、減価の額や未償却残高を算出)

 ただ、税法上では取得価額が10万円未満の資産は減価償却する事が出来ませんので〜 その「未償却残高」に相当する額は減価償却せずに消耗品費などとして一括経費化へ。。 【⇒ 仕訳例】)

と、こういった経理処理も、

税務上暗黙的に? かつグレーゾーン的に〜 認められている事実。 ありますので・・・

これら予めお見知りおき頂きたく思っております。

要はここでも、その理屈、事由、根拠が「理にかなう」のであれば、何も「定石」通りの仕訳や経理処理をしなくたって〜 それはそれで柔軟に受け止めてくれる。(もちろん業務上における重要度が低い場合に限られるかと思われますが) というわけ。 とも。

ちなみに、まあモノのついでと言いましょうか、、 折角、資産や備品などの事業転用時の経費や仕訳などに触れましたので、

「パソコン」、「自動車」、「家屋」などの備品や資産など継いで、家庭用で使用していたモノを事業用へ転用した時のアレコレについても触れておこうかと。。

先ずは「消耗品」

いわゆる「耐用年数1年未満」とされる、

取得 ⇒ 用に供す ⇒ 即時費用化 (即時償却的) 。。。の代表的存在とも言えますが、

※ もちろん、上記例で出てきた少額な減価償却資産に該当する備品などは除きます。

まあこれら消耗品につきましては、

基本的には・・・ 家庭用として購入し、家庭用で使った時点で即時償却されると考えても良いかと思われ、(つまり、使った時点で その価値の全てが消化されている)

もし事業用へ転用したとしても〜

それら対価(事業用へ転用した時点で、残っているかと思われる価値の相当額)まで、事業上での経費化をする事は非常に困難だと言えるでしょう。

但し、それら消耗品が新品などの状態で保管されており、元々は家庭用で使う予定だったが、状況が変わって事業用として使う事にした・・・ といった場合や、(購入当時と同年度に費用化が出来るモノ。 が、基本になるかな?)

またここでも出てきますが・・・

その考え方が合理的であり、業務上の重要度も低く〜 また実環境に適正さや根拠などが見られ、かつそういった状況を的確に説明する事(証拠や根拠を目視化する等)が出来るのであれば・・・

それら転用されたのが使用済な消耗品であっても、費用化(必要経費に計上する)する事も可能。 だ、そうです。

※ ただこれらは、実際にはかなり困難な事かと思われ、またこういった環境のガイドラインや書籍なども現実皆無と言ってもいいほどですので、それら「合理的な費用計上」をうったえるとしても、自身にて合理的、かつ「理にかなった」額の算出方法を考え、さらにそれら根拠や適正さを、税務署の職員に説明して十分に納得させられるだけの「何か」があって初めて・・・ 必要経費へと計上する事が出来るでしょう。

ちなみに、まあここまで言っちゃうと消耗品を費用化しよう・・・ なんて考えられる方もほとんどいらっしゃらないかと思われますが、

ただそれでも、少しでも「節税」や必要経費の無駄を抑えるためにも〜 何とか事業用へと転用した消耗品の相当費用を必要経費に。。 と、思われている方がいらっしゃれば、そういった方々に予め言っておきたく思っておりますが、

 「修繕費

これに関する費用に関しましては、

その「修繕費」という特徴柄? 立場上? 費用の用途・目的上?(細かい理由までは不明) ほぼ転用後に費用化する事は困難。 という事でしたので〜 予めご留意のほどを。

※ 例えば、自家用車を事業用へと転用する前に〜 新品に交換していたタイヤ費用等。

※ ただそれでも合理化うんぬんがあれば・・・ 絶対にはムリでもない。 との事でしたが。。

そして「サービスの対価」

難しく言えば「役務の提供に対する費用」。

簡単に言えば「保険とか宿泊料とか・・・ いわゆる形(目視上)の無い商品」。

具体例で言えば・・・ 事業用へと転用した自動車に付随する、自動車保険とかが代表格かと。

ちなみに〜 これら「サービスの対価」に関しましても、基本、上記「消耗品」と考えは同じとお考え下さい。

保険料などは、サービス(補償)の提供に先立って事前に費用が支払われるものであり、基本的には費用の支払い後にそのサービスの提供が順に行われると考えられ、

一見は、家庭用時代に支払っていた保険料のうち、事業転用後、これから提供されようとされる期間分、又は未だ提供されていない期間分に相当しようサービス料(ここで言う、考えられる残存期間に対する保険料)は・・・ 「事業主借」などとして必要経費化出来そうにも思えますが。。

※ 例えば1年契約にて、保険料は1年間分の年払い(一括払い)・・・ といった場合などで、契約期間中のちょうど半ばほどで当該保険を事業用へと転用した場合、

 年払いしていた保険料のうち、保険の契約期間の残り半分ほどに当たる未だ役務の提供を受けていないと思われるに相当する保険料は〜 これからの事業用へ対しての役務の提供分と考え、必要経費へと計上出来そうに思える。。 といった感じ。

ただ現実はかなり厳しい様子。

つまり必要経費化は出来なくはないが、ただやはりここでも〜

その考え方が合理的であり、業務上の重要度も低く〜 また実環境に適正さや根拠などが見られ、かつそういった状況を的確に説明する事(証拠や根拠を目視化する等)が出来るのであれば・・・

という前提あっての必要経費化になろうかと。

※ 尚、参考までに・・・ ではありますが、

 「⇒ 自動車 (自家用車)を事業用へ転用した場合」編では、その他自動車保険の事業用への転用時に考えられるアレコレも掲載しておりますので〜 何卒 m(_ _)m (また自動車保険転用に関する考えや注意事項なども

最後に「税金」

普通に考えると、一般的には〜 税金を事業用へと転用? するケースは少なく、まあ私が考えられる範囲内で言えば・・・ (そもそも「転用」という言葉自体ちょっと表現からして間違っているようにも思えますが。。)

 「自動車税」

 「自動車重量税」

くらいかな・・・(事業用車両へ関わる税金で、事業上の経費として認められるモノ)

尚、これら税金に関しましても上記「自動車保険」等と同じく、その関わる自動車を事業用へと転用した場合、一見、それら前払いしている税金類なども〜 合理的、かつ「適正さ」あれば、適所必要経費へと算入が出来そうですが・・・

※ これら税金は、基本 課税期間に対する前払いとなっておりますので。。

※ つまり、自家用車時代、事業用へと転用前に支払っていた自動車税や自動車重量税も〜 事業用へ転用後、事業用として当該自動車を使用している期間に相当しよう前払いされている税金分は「事業主借」などとして必要経費化出来そう・・・ という感じ。

ただこれら税金に関しましては、

例えそれら事由・根拠などが合理的であって理にかなっていようとも〜 それらが事業転用前に支払われている税金であるならば・・・

事業転用後における必要経費化は出来ないようです。

何故なら、これら税金はその税金の支払い確定時(納税義務の発生時)においては事業主「個人」が納税義務者となっており、

つまりそれら事業転用前に支払われている税金は、事業主「個人」が納税義務者となる税金であって、事業主が納税義務者となる税金とはなりませんから。。

またそれら納税義務者は、原則発生時 (課税時)に決定するものであって、一旦発生した後はいかなる理由あっても代えること(変更すること)は出来ませんので。。。

そういった理由などから、

事業転用後における必要経費化は出来ないように思えます。

※ 必要経費化が困難な点は税理士の方へ直接お伺いしましたが、ただこれら細かい「理由」につきましてのみは、あくまで私見ではありますが。。

ちなみに・・・ これら見解等につきましても、

先述では一応「いかなる事由や根拠あって、また合理化であっても」と、そう記しておりますが、

ただそれらに関しましても絶対100%とも言い切れない部分も御座いますので、

これら予めご了承のほどお願い致します。

当記事ご参照上の注意点等

尚、これら記事・記載する内容や情報などについては、

実際に当サイトの読者様から寄せられた事実の話など(税務署や国税庁などで実際に相談され、得られた事実など)を基に、

また私自身にても独自にて調査したり・・・ 要所税務署や税理士の方々に色々お伺いするなどして〜 加筆 & まとめたかなり現実的な内容等となっておりますが、

ただ、これら税務上の話や取扱い・見解等につきましては〜 税理士の方、又は税務署機関の職員が異なれば・・・ 見解部分から随分と異なろう可能性も考えられ、またそもそも税務上の各取扱い詳細は、その事業内容・概要・実績や事業主個人の環境などによっても異なるため、

※ つまり、事業主Aさんでは転用後の費用化OKだが、BさんではNG・・・ とか、業務上の事由AパターンではNGだが、事由BパターンならOK・・・ とか、また税理士AさんはOKとの見方だが、税務署のBさんはNGとの見方・・・ とか。

しかも これら税務上の取扱いや見解の土台部分などからしてかなり曖昧で、かつグレーゾーン的部分も多く存在しておりますので、

もし上記例に当てはまろう、又は類似・近似しよう事業転用時の費用化を検討される場合には、その考えられる相当費用が必要経費化出来そうでも出来そうでなくとも〜 先ずは所轄の税務署窓口などでご相談されます事をオススメ致します m(_ _)m

※ もし必要経費化出来たなら〜 大いに節税へつながりますが、ただ独自見解のみで必要経費化していたが、数年後税務署によって必要経費化が否認されてしまったなら〜 修正申告や追加納税・延滞税等、反する大きなリスクなども御座いますので。。

またそれらを予め踏まえて頂き 十分にご理解頂きました上にて、当サイト上における内容や情報などをご閲覧頂けますよう何卒宜しくお願い申し上げます m(_ _)m

業務上の重要度が低い

しかしところで・・・ 当ページもかなり長くなってきたのでそろそろ、、とは思っておりますが、

気になっている方も多いのではないでしょうか?

 「業務上の重要度が低い

という表記。

当コンテンツ・ページの締めくくりとして〜 これらについて触れておこうかと思いますが、

この「業務上の重要度が低い」と言う点、又はラインとは・・・

 「営業取引きに直接かかわってこない部分

 「収益等、全体に占める部分・割合等が低いもの

主にこれらと考えられ、

まあ簡単に言えば、

企業会計原則の一つ「重要性の原則」で言われる 「重要性の乏しいもの」とほぼ同じ考えでよろしいかと。(基本的な考え方や解釈、曖昧さやグレー的なところについても同じく)

例えば・・・

「商品の仕入れや製造・販売などに直接関わりのない部分のコスト」

「事業を営む上で、あまり重要(主要)ではないとされる設備や備品」

「会計の流れ上、最終的・総合的に見た場合さほど税額に影響しないモノ」

と、こんな感じかな?(より細かい解釈や見解等につきましては、上記 ↑↑↑ リンク先をご参照ください)

以上、参考程度までに m(_ _)m


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