げんかしょうきゃくしさん。
ここまでで、パソコンや自動車など事業用に使用する備品や車両については、耐用年数に応じた「減価償却」の必要がある・・・という事は理解して頂けたかと思いますが。。
ところで、
実務では、具体的には何を減価償却していけばいいのでしょうか。 どんな物を減価償却資産として取り扱っていけばいいのでしょうか。
時間の経過とともに価値の下がっていく物・・・ カバンも? 携帯電話も? 中古品として価値があればパソコンのマウスや参考書籍なんかも〜??? と 考えてしまうと、とてもじゃあ〜ないですが、青色申告なんかやる気にもなりませんよね〜
しかし減価償却の扱いになる「基準」はきちんとあります! どうぞご安心下さいませ ^^
以下の条件に 全て 当てはまる「資産」が「減価償却」の対象になりますよ〜 ^^)/
各部品が一体となって機能する物については、全てを一体にした価額を対象とします。
例えばパソコンの購入時・・・
モニター3万円、本体8万円、キーボード1万円・・・という感じで、メーカーやグレードを分けて別々で単体購入した場合でも、これら全てが揃わないと「パソコン」として機能しませんから、それぞれの単体部品は10万円未満ですが、「パソコン12万円」として減価償却資産の扱いにします。
但し、現在手持ちのパソコンでモニターだけを買い替え・・・という場合には、モニター単体の価額のみが対象となります。
作業料や工賃が必要なものは・・・
ルームエアコンのように、別途取付工事や工賃が発生する物は、部品代や取付工賃も含めた価額が取得価額になります。
自動車の購入は・・・
車両本体の他に、購入時に付属したオプション品や車両運搬費用(陸送費、納車費用)、車検整備費用なども「車両運搬具」として減価償却資産の扱いになります。
登録手続費用や車庫証明費用といった、登録に係る販売諸費用は車両本体に含めても含めなくてもどちらでもOK ^^
但し、税務署や税理士によっては、登録に必要な費用の中で販売店の手数料になる「代行手数料」の部分は取得価額に含める・・・という見解もあるようなので
要・確認!
税金類や保険料などについては、一般的には「車両運搬具」として計上しません。
その他詳しくは・・・「自動車購入に関する費用」にて。(自動車に関する取得価額はけっこう複雑なので、こちらも是非)
Q. 10万円・・・という数字は、消費税込み? 抜き?
A. 経理方式によって決まります。帳簿を税込経理にしている場合には「消費税込」。税抜き経理にしている場合には「消費税抜き」の価額が基準になります。
Q. 12万円のパソコンを事業兼用で購入しました。家事使用分が50%の場合には6万円の資産? じゃあ「減価償却資産」にならない?
A. 「減価償却資産」になります。 なる・ならないの判定は「取得価額」が基準になりますので、家事使用の按分は全く関係ありません。
ちなみに〜 ここで言うこれら 「取得価額」は、今後、減価償却を行っていく上でのとても重要な価額となりますので、(減価償却の計算に出てきたり、一番初っ端の帳簿価額になったりも。(基本的にはこの取得価額の額から、毎年減価償却して行くことになります))
よくよく頭に覚えさせておいてくださいね ^^
事業用での使われ方や、人によって見解の違いがあるかもしれませんが、
ここで基準となるのは法令によって決まっている「耐用年数(法定耐用年数)」です。
例えば軽自動車は法令で「耐用年数4年」と決まっています。(2018年現在) 乗り方によっては10年以上乗れますが、あくまでも法令の耐用年数が基準となります。
ほとんど無いとは思いますが・・・
取得価額が10万円以上でも、耐用年数が1年未満と思われる備品は「消耗品費」として一括経費に出来るそうです。
但し、1年未満で消費される・・・という、きちんとした「証拠」や「根拠」が必要ですが。。。
尚、逆に・・・
耐用年数が1年以上でも、取得価額が10万円未満のモノ(資産)の場合には、
その備品は減価償却資産として取り扱わずに、その年度(事業の用に供した日)の必要経費 (消耗品等)として、全額を、その年度の一括経費とする事が出来、
またそれら取扱いは強制される事にご留意願います。
少々補足ですが、
これら法令で決まっている耐用年数を示す「耐用年数表」では、その減価償却資産を「商品名」や「通称名」などで表記されてはおりませんので、(例えば、軽自動車
⇒ 小型車(総排気量が0.66リットル以下のもの) 等)
もしその物やシステムなどの該当する法定耐用年数が分からない場合には、最寄の税務署などで必ずご確認 & ご相談下さい。(一見該当がなさそうに思えても、だいたい該当するモノはあるようですので、取得価額が10万円以上となるモノを購入した場合で、耐用年数が分からない場合・見当たらない場合には〜 要確認ですね ^^)
価値の下がらない物はあまりないかもしれませんが、
電話の加入権や土地・借地権などは基本的に価値が下がらないので「減価償却資産」にはなりません。
以上、こんな感じです ^^)/
資産・・・と言ってもあまり「ピンッ!」 と来ないかもしれませんので、具体的な「減価償却資産」も陳列しておきますね〜 ^^
例えばSOHO系の方で、減価償却資産になりそうな物をピックアップしてみると・・・
パソコン(電子計算機)、パソコン周辺機器、ソフトウェア(無形固定資産と言います)、自動車、デジカメ、金庫、電話設備などの通信機器、事務用の机とイス、陳列棚・・・。
こんな所でしょうか〜 (^v^A
【減価償却資産について】
尚、当サイトにおいて解説させて頂いている減価償却(これから解説させて頂いているモノ)は、原則・基本に従った減価償却の方法、又は基本的な減価償却資産等のみとしておりますが、
ただ・・・ 減価償却〜 減価償却資産〜 と、一言で言っても、その事業内容や使用する備品や設備の状況・環境などによっては制度自体をひとくくりに出来ないような部分(例外的なモノや、他ではあまり考えられないような固定資産(特殊な美術品等)を使うとか)も当然! 御座いますので、
当サイトでの情報にあわせ・・・
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/01.htm
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/01.htm
これら国税庁サイトなどでの法令解釈や質疑応答事例などにも、お目を通されておかれます事を オススメしておきます m(_ _)m (内容はちょっと頭痛いですが。。。)
パソコンなどの固定資産でも、取得価額が10万円未満のもの、又は使用可能な期間が1年未満のものについては(上記の@かAに当てはまらない資産)、
「少額な減価償却資産」という扱いになります。
尚、それら少額な減価償却資産のうち、
取得価額が10万円未満のモノ・・・ に関しましては、
原則、「消耗品費」等としてその事業年度で一括経費にする事が求められており、(全額を、その年度(事業の用に供した日)の必要経費にする)
またその資産が例え1年以上使えるモノだとしても〜
耐用年数に準じた減価償却を行う事は出来ない事となっております。
つまり例えば・・・
パソコンは耐用年数4年の「資産」になりますが、
ただ取得価額が8万円であれば、そのパソコンは「少額な減価償却資産」の扱いになり、、
購入し事業の用に供した事業年度の「消耗品費」として一括経費に出来ますよ〜
しかしその代わり、減価償却する事は出来ません。(減価償却資産とする事は出来ません)
という事でござる。 ←(だれ?)
ちなみに・・・
取得価額が10万円以上でも、耐用年数が1年未満なモノであれば、、それら備品も少額な減価償却資産として、原則では全額その年度の必要経費にすることが可能ですが、
ただこの場合に限りましては〜
その取扱いなどにやや判断難しい箇所なども御座いますので・・・ 【⇒ 例】
そういった備品などの取扱いなどに関しましては、それら会計処理の前に、予め所轄の税務署などでご相談された上でのお取扱いを願い致します。