事業用途の自動車を買い替えたり、古くなった設備機器を廃棄処分にしたり・・・
減価償却資産として計上している資産を手放す場合にはどうなるのでしょうか。
先ず、手放した(売却・譲渡・除却)固定資産の「帳簿価額」を調べましょう〜 ^^
帳簿価額とは・・・ 購入時の資産価額から、毎年償却する必要経費分(減価償却費)を差し引き、帳簿上での資産価額を表す例のアレですね〜 ^^
もし減価償却が終了しているならば、帳簿価額は1円になっているはずです。
ちなみに、年度途中の資産売却や徐却でも、当期分(当年度に使った分)の減価償却費は計上してもしなくてもどちらでも問題ありません。
もし当期分の減価償却費を計上する場合には・・・(定額法の場合)
これで当期分の減価償却費が算出できますので、
減価償却費を必要経費へ計上し、当年度期首の帳簿価額より経費計上分の減価償却費を差し引いて「帳簿価額」を改めます。
・・・で、次に、
手放した時に得られた収益から、手放した固定資産の「帳簿価額」差し引きます。
売却した場合には売却価格の収益、無料で譲渡・廃棄処分(除却)した場合には「0円」の収益です。
プラスになりましたか〜? マイナスになりましたか〜?
プラスになるという事は、資産が帳簿価額よりも高く売れたという事です。 つまり「利益」が発生している状態ですね。
もしマイナスであれば、帳簿価額よりも安く処分・手放してしまった・・・という事です。 つまり「損失」が発生している状態かと。
それから、、
プラスのケース。
個人事業者の場合、減価償却資産の売買によって発生した損益は事業所得にはなりません。この場合の利益は事業主個人の「譲渡所得」となります。
収益は事業主個人の譲渡所得になりますので、事業主勘定で仕訳を行います。
例) 帳簿価額50,000円のパソコンを10万円で売却した場合・・・。
借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|
現金 100,000 | 工具器具備品 50,000 | --- |
事業主借 50,000 | --- |
5万円は事業主個人(プライベート)の譲渡所得(収入)なので「事業主借」。
事業用の現金が増えたのは、事業主から借りた現金・・・という解釈。
入ってきた現金を「事業主貸」の直渡しでも良さそうですが、「事業主貸」にしてしまうと売却益が直接事業側(会社)へ流れてしまうので、「事業主借」が正解です。(譲渡所得は事業主個人の所得なので、売却益は事業側へ流れてはいけません)
ちなみに、上記の仕訳後に事業主個人の手持ち金にする為には・・・
借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|
事業主貸 50,000 | 現金 50,000 | --- |
マイナスのケース。
個人事業の場合、減価償却資産の売買によって発生した損益は事業主の「譲渡所得」になりますので、売買によって損失が出た場合も当然「譲渡所得」になります。
例) 帳簿価額が10万円の事業用車両を、5万円で売却した・・・。
借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|
現金 50,000 | 車両運搬具 100,000 | --- |
事業主貸 50,000 | --- |
△5万円は事業主の譲渡所得(損失)なので「事業主貸」。
事業側(会社)は事業主へ生活費(事業主使用分)を渡し、資産の損金分は事業主が直接補った・・・という解釈。
但し!
償却資産(事業用固定資産)を災害等によって滅失したり、取り壊した場合等は、「事業用固定資産の損失」としてその損失額を、その損失が生じた年度の必要経費(一括経費)とする事が認められています。
処分によって発生した損失額は「雑損失」、又は「固定資産除却損」を使って仕訳をし、仕訳の摘要欄に除却(処分)の旨・詳細を記入しておけばOKでしょう〜 ^o^)ノ
以上、減価償却資産の場合はこんな感じです ^^
そして・・・まだ未償却部分が残っている「減価償却資産」は、今回の資産売買や除却処分によって償却も終了〜! というわけです \(^。^)/
尚、その資産にローンなどが残っている場合には〜 ⇒ 自動車 (減価償却資産)の売買アレコレ こちらをご参考に m(_ _)m)
以上、皆様のご参考になれば幸いです。