ていがくほう、ていりつほう。。
「減価償却ってなに?」編で少し触れましたが、ここで改めて「定額法」というのは何なのでしょうか・・・。
減価償却の計算方法には、主に「定額法」と「定率法」の2種類があります。
ちなみに何も申請していない場合には、個人事業=「定額法」、法人=「定率法」が、法定の償却方法になっています。(いわゆる初期設定。デフォルト)(事前に申請をすれば、償却方法の変更も可能です)
法人格ではあまり使われない「定額法」ですが、個人事業の方には人気? でポピュラーな減価償却方法。
個人事業ではメイン的存在の減価償却方法です。(というか償却方法変更など無申請の方は初期設定なので、、というのもありますが。。)
「定額法」とは、資産を一定の金額ずつ減価償却していく方法の事で、
毎年同じ金額ずつ償却し、最終的に残存価額(備忘価額)の「1円」だけ残すように償却していきます。
ソフトウェアなど、無形固定資産に該当する資産(無形減価償却資産)は残存価額が「0円」になるまで償却します。
定額法の計算式
上記の計算式を使って年間の減価償却費を算出します ^-^)/
毎年の決算時に減価償却費を算出していき、最終的に残存価額(備忘価額・帳簿価額)が1円になれば減価償却終了〜 というわけです \(^v^)/
それでは実際に計算でもしてみるとしますか。。
「減価償却ってなに?」編で触れたお話で、「定額法」を基に算出してみたいと思います ^^
150万円で購入した軽自動車(新車)を、1月10日から事業用として使用を始めました。
取得価額は購入金額の150万円。
軽自動車の法定耐用年数は4年ですから、償却率は「0.25」。
1月から事業用として使っていますから・・・
1,500,000円 × 0.25 × (12/12) = 375,000円
・・・という事で、
毎年375,000円ずつ減価償却していくような計算になります ^^)/
そして最終的に残存価額の「1円」を残さないといけないので、
4年目の減価償却費だけは・・・
375,000円 − 1円 = 374,999円
こんな感じです ^^
これで150万円 − 1円(残存価額)の全額が減価償却されました!
毎年同じ金額ずつ減価償却していますよね〜。
これが「定額法」と言われる減価償却方法です ^^)/
【注意@】
尚、この計算 (計算式)は、その都度その年度の法定耐用年数に対応した償却率にて ”毎年” 計算する事となっておりますので〜
なのでもし!!! その当該年度において税制改正などが施行され、前年度以前から償却中の資産の法定耐用年数が変更された場合には・・・
その当該年度の当該減価償却資産(償却中の資産)の減価償却は、改正後の新たな法定耐用年数に従った償却率を用いての減価償却となる事にご留意ください。
例えば・・・ 上記例で言う軽自動車の法定耐用年数が、もし償却中に改正されてしまったなら、
※ 償却3年目にして法定耐用年数が5年へ改定。 とか。【あくまで例え話です】)
と、こんな感じになろうかと。
ちなみに、
上記例の場合は、1年目の1月から車を使った計算です。(事業用として丸1年使用している)
もし1年目の使用期間が1年に満たない場合には、事業用として使った月数分の減価償却費を算出し(初年度分)、最終的に未償却残高(帳簿価額)が1円になるまで償却します。
例) 取得初年度の7月から事業用として使われた場合。(初年度は6ヶ月間の使用)
初年度の計算式・・・
1,500,000円 × 0.25 × (6 / 12) = 187,500円
2年目〜4年目にかけての計算式・・・
1,500,000円 × 0.25 × (12 / 12) = 375,000円
5年目には 187,500円 (帳簿価額)が残るのみですから・・・
1,500,000円 × 0.25 × (12 / 12) = 375,000円。
でも〜 187,500円 − 1円 = 187,499円
と、こんな感じです ^-^)/
これで「定額法」はバッチリですね〜! 記帳が楽しみ・・・・・でもないか。
あっ!
「定額法」減価償却の仕訳&記帳は、「⇒ 減価償却の仕訳・記帳」編 でまた後ほど〜 \(^。^)/
尚、ここで計算してきた額は、いわゆるその減価償却資産とするモノを耐用年数に応じて毎年必要経費へと計上する ”必要経費 / 年” の額であって、
ただ、これら額を実際に必要経費へ計上(算入)し減価償却していくには〜 それら減価償却資産の取得価額などの各費用や、必要経費となる額を仕訳&帳簿へ記帳していく必要(実務)などがありますので・・・
これらあわせ 「⇒ 減価償却の仕訳・記帳」編も必ずご参照願います m(_ _)m
法人格ではメインになっている「定率法」。
個人事業でも「定率法」での減価償却は可能ですが、新たに変更・採用しようとする年の3月15日までに「減価償却資産の償却方法の変更承諾申請書」を提出する必要があります。
建物、及び無形固定資産は「定額法」のみです。「定率法」は利用できません。
ちなみにこの計算方法は非常にややこしいです。
ぶっちゃけソフトやアプリなしでは選択する気にはなれないほどに。。(あくまで私のレベルが基準)
という事で、
定率法については、ここでは省略させて頂きます ^^ (私も使わない方法なので・・・)
早期に多額の(減価償却)経費計上が可能になります。
特に耐用年数が長期に渡る償却資産の場合には、早いうちにまとめて償却する事が出来るので、節税に有利な減価償却方法と言われています。(まあ実際にはケースバイですが)
参考までに、150万円の軽自動車(新車)の減価償却で、「定額法」と「定率法」での違いを簡単な表にしてみました・・・ ^^
これは使いどころが良ければ、かなりの節税に繋がることもあるでしょう。
事業収益が増えてきて、税金の負担が大きくなってきたな〜 と思うようになれば、ドカ〜ンと節税が出来そうなポイントを色々と勉強されてみては?