SOHO確定申告ガイド

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(2016年03月06日)

住宅ローン控除の適用開始年度について

 ちょっと表現ニュアンスが難しいんですが、

 通常、住宅ローン控除(住宅ローン減税)って、マイホームを買って住み始めたその翌年には確定申告をし、購入当年度の所得から控除を受けるものとなっているのですが、しかしこの制度、その年の所得の上下によって恩恵を傍受できる幅が随分異なり、個人事業の方の場合だとたまたまその購入年度に限っていきなり所得がガクンと落ちてしまい、あるいは大きな投資をして所得が、、 とか、場合によっては赤字、、 なんて事も考えられ、適用初年度からいきなり控除額がいい具合に得られそうもなく、

 
 住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)は、原則 ”税額控除”。(国民年金や生命保険など、所得から差し引く控除でなく、そういった所得控除を行って残った税額から直接控除を行うもの) なのである程度の所得があって 差し引ける十分な所得税と住民税が発生しない限り満額の控除が受けられない事も。(単純計算、控除額が30万円あったとしても、その年に発生した税金が20万円しかなければ〜 20万円までしか控除を受けられず、受けられずに残った分は翌年へ繰り越すことも出来ず事実上権利を破棄しないといけないことに)

 じゃあ、今回の確定申告では初回の控除適用の申告はせずに、都合よく所得が増えそうな来年、もしくは翌々年から、、 あわよくば増えてから適用開始出来ないかな? と。(要は適用開始を先延ばしして、所得が多くなってから満額控除を得 損しないようにとの狙い。 申告をずらして減税期間もずらせないかとの腹

適用開始を先送りにできる?

 それは無理です。

 住宅ローン控除は、原則、マイホームを取得し居住した年度から、確定申告(申請)する事によって以後10年間に渡り 所得税などから一定率の税額控除を受けられる特例制度です。(2016年現在)

 例えば、平成27年にマイホームを購入し住み始めた場合、平成27年から〜 平成36年までの所得税などから控除が受けられます。

 なので申告するしないは個人の自由かもしれませんが、(控除の適用申請) この適用可能な期間は鉄の掟。 これは決して変えることはできません。 初回の適用申請を故意にずらしても〜 この期間はスライドする事はありません。

 平成27年からいきなり赤字所得だったとしても〜 控除額丸々を権利破棄しないといけないことになりますが、その現実は受け入れざるをえないということ。

もし先送りしてしまったら?

 ちなみにもし先送りにしてしまったなら〜

 適用期間が目減りしてしまうだけです。

 平成27年取得だが、平成28年度分からの申告とした場合、控除適用期間は平成28〜 平成26年の9年間に。

 
 初年度に申告(申請)し忘れていても、また故意にしなくとも、翌年に申告すれば翌年度から控除は適用されます。 但し、10年の適用期間自体までは変わりませんので、申請が遅くなればなるほど適用期間が減ってしまう事に。

 なお、申告し忘れていた、もしくはしなかった過年度分は、よほどの事が無い限り後から適用してもらう事は出来ませんので、(災害等かなりの理由) その辺りは予め十分ご留意願います。(この辺りは個人事業者であろうとサラリーマンであろうと同じです。 特にサラリーマン等の方は、医療費控除と同じように5年までの間だったら後からでも申告すれば取り戻せる〜 とお考えの方もいらっしゃるようですが、それが可能なのはあくまで本則上の控除制度でのお話。 住宅ローン控除は確定申告によって発動する特例制度。 確定申告しない限り事実上無いものと見解されるものですので、ないモノは過去にさかのぼっても取り戻せません

 とまあこんな感じで、以上参考などまでに。


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